こんにちは 工務部 大塚です。
今回は家づくりにおいて、いろいろなアイデアを考えては見たものの、結果採用に至らなかったモノ
について、3年目を迎える今だからこそ改めて振り返ってみようと思います。
内装材は手触り・足触りの良い素材選びをテーマとしていた為、質感の異なるモノを適宜使い分け
してみたいと考えていました。
ホテルライクな寝室への憧れもあり、
目覚めて素足で触れる初めての床はふわりと柔らかなウールカーペットが心地よいだろうなと想像
していました。
弊社でも施工実績があり、その質感は折り紙つきであったため自邸にもと考えていましたが、
そもそもベッドでの就寝スタイルではない事やまだ幼い子供たちの粗相が気になり採用を見送ることに…
案の定、数回やってしまいました…(汗)
洗面脱衣室へはサイザル麻を敷くことも考えていました。
ざっくりとした麻の質感が風呂上りの素足にほどよい刺激を与えてくれそうでしたが、
外遊びで砂埃をまとった子供たちの着替えや髪の毛などの細かいゴミなどの清掃性が悪そうな事と
そもそも水廻りの床材に本当に適してるかなどマイナス面が気になり不採用に。
どちらも現時点の私たち家族には採用はまだ早い仕様だったかなと納得済みです。
次にデスクカウンターの天板を木製ではなく、リノリウム天板とすることです。
リノリウムとは、亜麻仁油や石灰石、木粉、ロジン(松脂)などの天然素材から作られるインテリア建材で、環境にやさしく、抗菌性や抗ウイルス性があり埃が付着しにくい性質があります。色柄が豊富で発色の良いソリッドな質感が木質の空間に良いアクセントとなり、デスクの天板に使用する際は程よい硬さが滑らかな書き心地を生むそうです。
当時、個人として施工の経験がなく、家具天板に使う際の端部の綺麗な納め方などがうまくまとまらなかった事と子供部屋のデスクの仕様にしてはえらく高級なものになるだろうと思い断念…現在は盛大に紙からはみ出したマーカー跡だらけですので、まぁ木製のままでも良かったかも。
外装材に採用したガルバリウムサイディングですが、製品の定尺寸法が決まっています。
製造工程や運搬性、施工性などを考慮した上で定められたものでありますが、特注対応も可能なものも
あり、所謂ジョイント(部材同士の継目)のない1枚もので注文できます。すっきりと美しく納めるには余計な線を極力なくすことですが、我が家の間口は3間(5460mm)ありますので、定尺4000mmでは届かずジョイントができてしまいます。
施工管理者として職方に無理な施工をお願いしたり、効率の悪い仕事をさせるのは最低限にしなければと意識している為、それもわざわざ自邸にて採用するか?と自問自答の末、定尺サイズで納めてもらうこととしました。
振り返ってみると後悔とまでは言わないものの、長い目で暮らすことを考えると思い切って採用しても良かったかなと思えるモノもあります。
もちろんこれらは全てコストに反映される訳ですので、無責任なことは申し上げられませんが、
30年後も今の物価水準より上昇しているはずなので、「過去には戻ることができない、現時点が一番安い時だ」というマインドも一理あるかなと、最近とある動画でみたコメントが妙に刺さってしまいました。
番外編として、我が家のダイニング照明のお話を。
食卓を灯す照明は建築家 中村好文さんデザインの「PERA」です。
シンプルで控えめなガラスペンダントでぽってりとしたフォルムがかわいらしい、
今でもそしてこれからもずっとお気に入りの照明です。
と言いたい所ですが、我が家では一度も灯すことが叶いませんでした。
引越し後、ダイニングテーブルの到着を待って設置をしようとした際に恐らくテーブルの上で少し引きずってしまったのか、
ガラスシェードに亀裂が・・・
持ち上げたら・・・
パリッ・・・(泣)
代わりの照明を探す気もなく、いまだにプラッチックのチープな照明がぶら下がっています。
「過去には戻ることができない、現時点が一番安い時だ」
PERA貯金をコツコツ始めようかと思案中であります。