こんにちは　工務部　大塚です。

今回は自邸に導入した設備機器、主に空調についてのお話です。

我が家の間取りは、１階にＬＤＫ（20帖）とトイレ・洗面・風呂の水廻り、2階に寝室（6帖）と子供部屋、
ウォークインクローゼット、ワークスペース（2.5帖）を配置したオーソドックスな3ＬＤＫではありますが、
建物中央に吹き抜けを設け、それに面する２階の居室には開口部や室内窓（内障子）で上下階をつないで
います。

また、ダイニングと洗面所の間にも同様に室内窓を設け、引き戸を開ければすべての空間がつながる
ワンルーム的な間取りであるともいえます。

将来的に個室化を考えている子供室は現時点では大きなフリースペースで、
中学年（小学3・4年生）くらいに間仕切りを立て、さらに成長が進めばもう半分に分けてと段階的に計画
しています。
最終的に分けた個室はそれぞれ約3帖と究極のミニマム空間となります。

成長しても個室に籠らず、家の様々な場所で過ごしてほしいと思う親の願いは受け入れてもらえるのか！？
また狭いと捉えられるのか、その逆か！？

空間のつながりを持たせたことと、２階の居室が大きな部屋ではないことを受けて、
我が家の空調計画は各階にエアコンを１台ずつ設置するものとしました。
１階はリビングに壁掛けのルームエアコンを設置。
２階は屋根裏空間を利用したパッシブ冷暖を取り入れました。

パッシブ冷暖とは
パッシブデザインの設計手法を取り入れた建物に導入することを前提とした冷暖房システムです。
エアコンによる冷風、温風を床下の分配ボックスとダクトを介して振り分け、床下全体に暖冷気を溜ます。
暖房時は輻射熱で足元を温め、冷房時は床下に漂った冷気をファンで持ち上げ室内にゆっくり吹き下ろすことにより涼しくします。

▪パッシブ冷暖公式サイト
https://passivereidan.jp/12399123761241712395.html#/

それを屋根裏に応用したものが我が家で、弊社としても初の試み…いわゆる実験台という訳ですね。
屋根裏空間全体に冷暖気を溜めこむのではなく、ダクトを使って各居室に分配するという仕組みです。

家全体を基本1台で空調することとし、
暖房時は1階のエアコンを稼働し、冷房時は屋根裏のエアコンを稼働させます。
暖気は上昇し、冷気は下降する原理を活用し、換気扇やサーキュレーターを併用しながら吹抜けや室内窓を介して各居室に流してゆきます。
全館空調ではありませんので、非居室（トイレや洗面所）などにダイレクトに空調されたものが届くという訳ではありませんが、断熱性・気密性を高めることで、熱が外部に逃げることや外部からの侵入を抑えつつ、なるべく温度ムラの少ない環境を作り出せます。
冷房時をエアコン1台で賄うことに入居前はやや懐疑的でしたが、実際の所、ほぼ1台で問題なく過ごせています。

真夏の時期は運転立ち上げ時の補完的な役割で2台同時に使用することもありましたが、ある程度空間が冷やされてくると1台でも過不足なく機能しています。
28℃設定で運転していても室温が26℃くらいになります。
日射遮蔽をもう少しうまく機能させればより良くなる感覚です。
（未だに外部遮蔽部材を調達できていません…汗）

一方、暖房はと言うと完全に1台の稼働で過ごせています。これはある程度予測できていたので、その通りの結果となりました。
子供部屋を間仕切りした際は屋根裏のエアコンの出番があるかもしれませんが、扉の上部に回転窓を付けるなど作り方によってはこれまで通りの使い方でも通用しそうな気がしています。

絶賛実験中ではありますが、2階の居室がコンパクトで機械を設置する屋根裏空間の確保が可能なお家にはおススメできる設備の1つです。
寝室の冷房が効きすぎているので、吹き出し口をキャットウォークへ移設し、吹抜けの天井から1階に冷気を吹き下ろす工事を来年の夏までにはDIYでチャレンジしようと画策中であります。