「滋賀の家展」

2024年10月12日更新

こんにちは。

設計の大橋です。

 

先日滋賀県立美術館で開催されていた「滋賀の家展」に行ってきました。

https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/6273/

 

「滋賀県」という視点から「家」を考えてみるというテーマを軸に、滋賀県の文化・地域性・歴史から建築家や工務店、大学による作品・プロジェクトまで展示されていました。

 

滋賀県は京都・大阪と名古屋・東京の間に位置していますので、流通の点から工場などが多くあるそうです。

ハウスメーカーのプレハブ住宅などの制作を行う工場も滋賀県に設置されたため、滋賀県から多くの住宅がつくりだされ、送り出されていたことになります。

展示の中にはこのような絵が載っている本が置いてありました。

部屋を1ユニットとして流れ作業でつくっている様子です。工場で粗方つくってしまい、現場では組み立てるのみという施工方法は現在でも有効な手法としてハウスメーカーなどで多くみられます。

改めて絵で見ると驚きが大きいですね!

 

また大変驚いたのは、中銀カプセルタワーが滋賀県で組み立てられていたことです。

中銀カプセルタワーは建築家の黒川紀章(1934-2007)さんが設計された集合住宅です。

当時は メタボリズム という生物が新陳代謝をして変化・成長するように建築も劣化などの変化に応じて取り換えをすることで永く使っていこうという考え方があり、その考えが具現化されているのがこの中銀カプセルタワーです。現在のサスティナブルに通ずる部分もありますね。

カプセルの交換や設備機器の交換もできるように設計されていたのですが、取り外すために大掛かりな作業や莫大な費用等さまざまな問題があったためか、実際には想定されていたカプセルの交換は一度も行われずに2022年に解体となってしまいました。

 

(上)竣工当時(1972年)(下)解体時(2022年)

 

この展示会では、模型やサンプル、本、パンフレットをはじめとして実際に見る・触ることのできる展示が多くあり、どんな人でも楽しめるように工夫されていました。

触ることのできる展示の中で最も大きかったのは、伊礼智先生が設計された小屋《湖畔の方丈》と竹原義二先生による縁側《素の縁側》でした。

本や写真など媒体を介していつもみていたものを実際に見ることができたので、非常に勉強になりました!

 

だんだんと朝晩が冷え込んできましたね。

季節の変わり目ですので、みなさま体調に気をつけてお過ごしください〜◎

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