備忘録的ダイアリー ~素材・内装編~ 

2024年10月4日更新

こんにちは 工務部 大塚です。

初回プレゼンからは大きな変更がありましたが、フィードバック、プレゼン②と検討を重ねたことによって、
自分たちの暮らし方について改めて整理することができたと感じています。

プレゼン②以降は1階水廻りへの変更とトイレは1箇所と割り切って2階の収納スペースを見直し、小さな書斎(今は主に妻の制作デスク)を設けました。
ここからは実施設計と言って、プランから図面となるべく、内装・外装の仕様や設備設計、構造設計などの
肉付けor削ぎ落とし作業に入ります。

また、見積もり作業を進めていきますので、より現実味をおびて、楽しさはもちろんありますが、タフな期間
でもあると言えます(汗)
私の場合は設計を終えた後の施工を担当するが故に、普段やっている設計者との打ち合わせや詰めの作業を前倒しで行っているようで、半分仕事をしているような感覚でした。
打合せや工事期間の話は割愛しますが、叶えたいことと予算の間で苦しみ、繁忙期とも重なり慌ただしくではありましたが、無事に完成まで漕ぎつけたことは大きな達成感として記憶に刻まれました。

スタッフの自邸とはいえ特別なモノを駆使した訳ではありませんが、
採用した空間や素材、設備についてこれから触れていきたいと思います。

まずは内装編から。
もっとも重要視したことは、手触り、足触りのよい素材選びです。
直接体に触れる、またその空間で過ごすとなれば触れていて気持ちの良い素材を選びたいとかねてより思っていました。

メインの床材は「杉」をセレクトしました。

杉床は柔らかく、さらっとした質感で思わず素足になりたくなる踏み心地です。
反面、へこみやすいので、わんぱくな子供のいる我が家は入居1年足らずであちこちにキズ、へこみだらけです。
あらかじめ理解していたので目はつむっていますが、ただ一つ後悔していることが竣工時にキズを補修した跡が日当たりの良い場所は逆に目立ってきたことです。

工事中にできてしまったキズを専門職に補修をして頂くのですが
研磨や水分を含ませての復元ではどうにもならない箇所は色合わせをしたパテで詰めていくしか方法はなく、入居したての頃は馴染んでいたものの、経年変化する素材とそうでない素材の色の違いがはっきりしていくのですね…。
工事中のキズなんか気にならないくらいに既にキズだらけですので、わざわざ補修をする必要はなかったかなと反省しております(汗)

水廻りの床は素材を変えて、洗面脱衣室は「バーチ」を採用。

弊社の標準仕様の床材の中では採用率が少ないのですが、大人しい木目が柔らかい印象を与え、杉より硬く、オークより柔らかい特性と、水気と漆喰との相性を考えて選びました。
踏み心地を例えるならシルクのような滑らかさ。杉のそれとは異なる質感で両者の違いを楽しめています。
杉は洗いざらしのコットンという所でしょうか。

玄関土間はセランガンバツというウッドデッキや外回りの板塀に使われるハードウッドで仕上げました。

よくあるタイル貼りやモルタルを採用しなかったのは家の内部空間の中で玄関土間が一番冷えやすく、 熱伝導の高い素材は温熱環境に不利に働くからです。
弊社でもスタンダードな仕様になりつつあり、施工ノウハウも確立してきました。
元来、外で使われることの多い素材ですので、雨に濡れた土足で使用してもまったく問題にならず、不自由なく使用しています。
板同士の継目が乾燥によって収縮し、若干の隙間があき、そこに砂埃が入ってしまうので、玄関ドアに対して直交に張る方が板目に沿ってほうきで外に掃けるので個人的には良いと思います。

壁と天井は漆喰を主な仕上げとし、寝室の天井には柿渋塗装を施したラワン材。

柿渋塗装についてはコチラで詳しく述べています。

https://www.fukuda-lld.jp/blog/?p=36566

※現在、柿渋塗装は防蟻施工要領の改定により実施しておりません。

クローゼットと書斎は紙クロスでコストダウンと質感の違いを出しました。
紙クロスについてはコチラでhttps://www.fukuda-lld.jp/blog/?p=27720

建具、造作材(窓枠やカウンター、巾木など)も木を使い、木視率を高めています。
我が家に使用した木材の種類は、スギ・シナ・ベイツガ・ゴム・バーチ・ラワン・オーク・セランガンバツ
・アカマツ(現しの構造材)・クリ(ダイニングテーブル)・ブナ(ダイニングチェア)
構造材や家具を含めると延べ11種類。様々な場所で取り合っていますが、ちぐはぐな感じにはならず、
むしろオークなんかは少量使ったもの(建具の引手や階段手摺)が良いアクセントになっています。
手に触れる質感も木材ごとに異なるのも面白いポイントです。

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