Ando Galleryを訪れた切っ掛けであり、どうしても兵庫県立美術館を訪れたかった理由、それはこの人の全仕事を網羅する回顧展を、肉筆のデッサンを、この目でみなければ！という衝動からでした。

「描く人・安彦 良和」回顧展

私と同じ世代（アラフィフ）なら、「ヤスヒコ ヨシカズ」の名を耳にすれば、その気持を分かってもらえる筈です（笑）。

回顧展と銘打つと、失礼ながら故人の展覧会と思いがちですが、御年76才の現役でいらっしゃいます！
ちなみに、回顧展とは、「美術において、特定の作家を取り上げ、全生涯における作品や活動を総覧する展覧会」と辞書にあります。

また安彦氏の肩書は、漫画家であり、アニメーターであり、小説家であり、類まれなその才能を示しています。
一般的には、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダムシリーズ、これらのアニメーションはよく知られていますが、同世代の日本には優れた多くのアニメーターが登場します。
しかしながら、その安彦氏の才能でさえ、そのクオリティーの高さにはもう叶わないと、アニメ業界から遠退いたそうなのです・・・。

ただ、安彦氏の魅力の源は二次元の静止画にこそあると私は思っています。すなわち、漫画でこそ、その魅力が伝わると感じます。
その魅力から、日本古代史シリーズの漫画「ヤマトタケル」にどっぷりはまってしまったのでした（笑）。

特に、この回顧展においても、その漫画のコマ割りに描かれた登場人物の躍動感は感動モノです。
また、安彦氏が描く女性は凛々しく美しく、気付けば他の鑑賞者の動線を妨げてしまうほど、惚れ惚れして見入っていました（汗）。

残念ながら、会場内部は撮影禁止だった為、会場の外の看板やポスター、タペストリーなど、写真から伝わる魅力には限界があります。
会期も残り僅かですが、安彦氏が描く圧倒的数量の生作品を、実際に鑑賞されることをお勧めしたいです♪