兵庫県立美術館に安藤忠雄の常設ギャラリー「Ando Gallery」があるのをご存知でしょうか？

2019年5月には開設されていた様なのですが、とある展覧会を見ようと訪れたところ、これまで不覚にもその存在に気付かずにいたのでした（汗）。

阪神大震災の復興のシンボルとしてオープンしたこの美術館そのものが安藤さんの設計によるものですが、その歩みを網羅できる常設ギャラリーがある建築家を私は安藤さん以外に知りません。

約700㎡・2層のメゾネット空間はなんとAndo Galleryのために増築しています。 一見、最初からそこのあった様な佇まいなので、気付かない人がほとんどではないでしょうか？

※増築前：左と増築後：右（金箱構造設計事務所のHPより転用）

※Galleryの展示前の様子（金箱構造設計事務所のHPより転用）

専門的には、免震構造として2001年に建築された美術館の中に、約700㎡もの展示室を免震装置に手を加えることなく増築するため、美術館本体のSRC造とは異なり鉄骨（S）造として軽量化を図り、増築部の慣性力は既存耐震壁で負担させるなどの構造的工夫が織り込まれていると、構造計算を担当した金箱構造設計事務所さんのHPにありました。

ギャラリーの展示は安藤さんの原点となる「住吉の長屋」のミニチュア模型（コンクリート造！）や、私が学生時代に夢中になった「六甲の集合住宅（Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ）」の巨大模型、パリの現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」の木製模型など、安藤建築に詳しくない方でも見どころ満載です。

個人的には1971年竣工（私が二歳児）から1995年までの住宅建築の遍歴とその歴史に感動した次第です。

また、Ando Galleryは閲覧無料・写真撮影もOKなので、是非気軽に立ち寄ってご自身オリジナルの安藤建築を撮ってみてください。
あっ、安藤さんのメッセージ「青いまま走っているか？」を確認する、青りんご前も映えスポットです（笑）。

次回は、今回Ando Galleryを訪れる切っ掛けとなった待望の展覧会について紹介したいと思います。