暑くなってきましたね。
7月も中旬、とうとう夏休みがやってきました。
暑いですが、たくさん新しいものに出会えるといいなと計画を練っています。

さて、今日は家守りから外れて、研修のお話です。
ウェブセミナーや資格試験など、何かプラスになりそうなものがあれば参加しているのですが、今回は耐震診断研修に行ってまいりました。
それも、実際に依頼を受けて実施される診断に同行させていただくという実地形式でした。

今回見せていただいたのは、築50年弱の物件です。
図面がないためその場で図面を書いていきます。

全ての居室と非居室はもちろん、建具、窓、床・壁・天井・巾木の仕様、壁厚まで残らず記入をします。
さらに床と柱の傾きを調べ、床下、天井裏にも入り、外壁と基礎のクラック、庇や屋根の形状も残らず記録します。
文字だけでなく、膨大な写真も記録として残します。

普段生活しているだけでは見ることのない、天井裏や床下には建物が抱える病巣とも言える痕跡がありました。
屋根下地に残る水の跡、梁まで上がっていない内壁、継いだ跡のある梁。
梁や筋違の位置を記録しながら、これらの劣化や強度計算上不利になりうる事象を抑えていきます。

床下では基礎クラックやコンクリート強度、蟻害の有無を調べていきます。
長期間にわたる漏水などにより柱や梁が傷んでいることもありますので、隅々まで這って確認を行います。（今回、私は床下へ同行していないので見られませんでした。次の機会があれば次は潜ろうと思います！）
建物全体の傾きも確認していきます。
レーザーを使用して、何ミリどちらへを記録していきます。
（これは延長瑕疵保険を受けていただいた際にも実施しています。）

現場調査では、一切の診断をしません。
（調査員は経験からこの辺りが弱そう、というのは感じておられるかと思いますが。）
事実を一つ一つ記録していきます。
見落としがないように、未確認事項が残らないように。
さらに、これからも残すつもりで耐震診断をされていますから、壊さないことはもちろん、汚さないよう、注意しながら。
家一軒丸ごと診るというのは、集中力と体力が絶対条件だなと痛感しました。

〔灼熱の天井裏で筋交や梁、雨漏りのチェック〕

丁寧に、確実に、取りこぼしのないように。
定期点検でお家を拝見する時も心がけて臨みたいと思います。