こんにちは。設計の大橋です。

ようやく梅雨入りしましたね。
気温が下がり嬉しくもありますが、雨続きのせいでなかなか外でお洗濯物を干せないので、なんやなんや〜と思っております。

私は学生時代にルイス・カーン（1901-1974）というアメリカ人の建築家の自然光の扱い方に関して研究をしていました。
研究の中で感じたことやアメリカでの現地調査で実際に建物を見て感じたことなどをお話しさせてもらえればと思います。

ルイス・カーンの設計した建物の多くでは、自然光の取り入れ方に工夫が見られます。

最も有名な作品はキンベル美術館です。
テキサス州フォートワースにある美術館で、1972年に完成しました。
実際に見学しましたが、長い時間そこに滞在したくなるような素敵な空間・光環境となっていました！

美術館では作品に自然光（紫外線）が当たってしまうと劣化してしまうので、自然光の扱いには細心の注意が必要なのですが、この美術館では反射光を多く作り出すことで明るい空間にしています。
また、スポットライトなどの人工照明は作品にのみ向いており、天井を照らしていない点にも注目していただければと思います！

かまぼこ型の屋根の頂点に開口部があり、そこから光が差し込んできます。中央上部にあるシルバーの反射装置で光が反射したり、そのまま空間に落ちたりして光が空間を満たしていきます。
天井付近はコンクリートが発光しているように見えますが、自然光によって照らされてそのように見えています。
やや難しい話になってしまいましたが、構造と反射装置と開口部とが相互作用し、素晴らしい空間となっています！

また、この美術館の外壁・内壁はともにトラバーチンという石材となっています。弊社ではよく外壁材の仕上げにトラバーチン柄を使用しますが、本物のトラバーチンはこのような見た目なのです！

空間を明るくするためには直射光も重要ですが、反射光でも工夫次第で空間を明るくすることが可能です！

次回はルイス・カーンの住宅作品を紹介せていただければと思います！