さて今回より『暖涼感のある木のリノベーション』をシリーズで、マンションにおけるフルリノベーションのプロセスを設計ヒアリングから完成までご紹介したいと思います。

お客様は、福島区に絞って物件探しをされる中、弊社の個別相談会に来社されました。

その際、家守り/不動産担当の安岡と私も同席し、中古住宅及び中古分譲マンションのメリット・デメリットのご説明と資金計画をさせて頂き、マンションフルリノベーションの選択をされました。

いくつかの候補物件から内見するものを絞り込み、内見に私も同伴させて頂きました。 
お客様は完成品を購入することができないため、すごく不安だと思います。

同伴する目的は事前に詳細な竣工図で確認できない状況で、経験値から最終的な出来上がりをイメージし、要望に対してお客様へメリット・デメリットをお伝えすることで、物件購入の判断の後押しになればと思っています。

物件を内見した際に感じたことは、築20年で床、天井がフラットな仕上げで段差のないこと、南面の奥行約2M程のバルコニーと室内からバルコニーに面するサッシが、間口約4.5M程の大開口で空間が繋がることで広さを感じさせ、当時のマンションでは珍しく非常に希少であることを伝え当社からお薦めしました。
その他にもハードルがありましたが、検討の末この物件を購入されました。

では、いよいよ設計に着手する前に物件概要と特徴についてご説明します。

 【物件概要】
JR・阪神・地下鉄から10分程度の立地条件で、JRの駅からは商店街を抜け大手スーパーに隣接する好立地。
築20年のマンション、12階建ての6階で南西2面にバルコニーがあり床面積は約70㎡。

【物件の特徴】
今計画物件の構造は、SRC（鉄骨鉄筋コンクリート造）、さらにアンボンド工法（PC鋼材を使用し床スラブをたわみに対して強くする）で、外周部以外の天井に出っ張り（小梁）がなく室内空間がすっきりしています。
また水廻りの配管スペースは20センチ弱ほど床スラブを下げてバリアフリーが可能なように設計されています。
リノベーションの際にも天井面に梁が突出しないため、部屋割の際に梁を基準にする必要がなく、プランニングの自由度が高まります。

リノベーション前
【マンション特有の天井に梁の出っ張りがなくスッキリしています】

リノベーション前
【廊下から水廻りはバリアフリーです】

リノベーション前
【洗面脱衣から浴室もバリアフリーです】

リノベーション前
【奥行きの深いバルコニー】

さて次回は、設計を進めるための物件調査及び竣工図確認についてご案内します。