こんにちは。工務部 大塚です。

先日のこと、郵便ポストをのぞくと市役所から一通の封書が。
中身は家屋調査についてのお願い。

ついに来ました…そうです、【固定資産税】の評価額を算定するための家屋調査にご協力くださいとの案内でした。

お施主さんよりどんな調査をされるのかとご質問されることもあったのですが、具体的には知りえなかったので、うまくお答えできていませんでした。
この機会にいろいろと聞いてみようと思い、平日ではありましたが、仕事を調整して立ち会ってきました。

当日来訪されたのは2名の職員さん。
30分程度の所要時間という事で調査の概要を簡単にご説明いただき、まずは図面の確認から。

①平面図 ※寸法が記載されたもの

②立面図

③仕様書（床・内壁・天井の仕上げの記載があるもの）

④住宅設備（キッチン・洗面化粧台・換気設備等）が記載されているもの

間取り図を書き写されている間に質問を投げかけてみました。
ちなみに私の住まいは兵庫県川西市です。
自治体によって調査の方法や準備物等が異なる場合がありますので、
あくま参考程度に読み進めていただければと思います。

川西市の場合は全ての戸建て住宅に対して訪問の調査をお願いしているようです。
分譲マンションの場合は持ち分比率で税額が既に決定済みなので、一件毎の訪問調査は行いません。
評価額の決定は令和6年の3月末日までに決定し、評価額を知る閲覧制度があります。また、家屋の調査が適正かどうか、他の家屋の価格と比較することが出来る縦覧制度があります。（期間限定）

次に建物の内部と外部の仕上げを実際に採寸や目視にて確認をされます。
対象箇所を確認する度に質問する私。
「めっちゃ聞いてくるやん、この人！」ときっと思われていたでしょうね(汗)

職員さんとのやり取りで以下のことが分かりました。

・構造について
鉄筋コンクリート造＞鉄骨造＞木造　　耐久性が優れているかという観点だそうです。
この点、SE構法は同じ木造の中でも優位に働きそうです。

・玄関土間の仕様
タイル張り＞板土間＞モルタル　　価格帯が基準となるようです。
弊社が最近標準としているハードウッドの板土間は中間のグレードでした。

・住宅設備について
浴室：在来風呂＞ハーフユニットバス＞ユニットバス　サイズは1616（１坪）が基準でした。
換気扇の機能によっても加点されます。（浴室乾燥機がある場合）
キッチン：幅が2550ｍｍを基準として、仕様については差がありませんでした。
洗面化粧台：既製品の場合だと幅750ｍｍを基準として、造作カウンターの場合は別項目で評価される。
トイレ：１件当たりの個数を評価し、手洗いが別で設けてあれば加点される。

・換気設備
第一種換気＞第三種換気

・床、内壁、天井の仕様
床：タイル＞木質
内壁：塗り壁＞板張り＞クロス
天井：内壁と同様
天井の板張りの箇所が複数ありまして、細かく採寸されました。

・バルコニーの有無
有り＞無し　これは意外でした。室内干し場があっても加点にはならないようです。

・評価基準は全国一律
時間も迫る中、これ以上はお聞きできませんでしたが、耐久性、価格、サイズ等が主な基準であることが分かりました。
総務省のホームページに詳細が載っていますと教えていただきましたが、細かく過ぎてやや難解です。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html

それによると、「固定資産税は土地、家屋及び償却資産の保有と市町村が提供する行政サービスの間に存在する受益関係に着目し、資産価値に応じて課税する財産税となります。」
と綴っています。
納税者としてもっと行政サービスを活用せねばと改めて認識したものでした。

また、新築住宅に対する減額措置がありまして、対象は床面積50㎡以上280㎡以下で住宅部分の床面積が120㎡までの固定資産税に限り1/2に減額されます。
減額される期間は一般住宅で3年間、長期優良住宅で5年間と長期優良住宅によるメリットは大きいものがあります。
しかし、6年目以降で税額が倍に跳ね上がるのは結構な負担ですね。

一生に一度の貴重な経験でした。丁寧に対応いただいた職員の方たち、ありがとうございました。
面倒くさい市民だなと思われていたでしょうが…
帰り際にお茶を差し出そうとしたら、「もらってはいけない規則ですので、お気持ちだけで…」と最後まで律儀な方たちでした。