こんにちは。工務　大塚です。

先日のこと、自邸の庭木の選定にBOUGH 下村さん先導のもと神戸市北区まで行って参りました。
甲子園球場とほぼ同じ広大な敷地に約200種類7000本の樹木が伸び伸びと育っており、
自然を感じ散策しながらお気に入りの1本を探しに行きました。

自邸の植栽計画はベランダー時代（マンション等のベランダで植物を育てている人の総称。造語。）
の鉢植えたちと新たに迎える樹木の配置や寄せ植えのバランスなどを下村さんにアドバイスを頂きながら進めています。
我が家の鉢植えたちはミモザ、オリーブ、ユーカリなど地植えすると成長著しい木々ばかりで、
数年後の状態を想像しながら配置を考えていくと、
全て地植えするのは管理上不可能かなと思えてきました…
市場に出回っている人気の植木たちは鉢に納まっているからこそ大人しいものの、
自然に帰ると本来の姿に戻るのだなと、下村さんの話を聞いて少々腰が引けてしまいました。
適材適所で選定していこうと思います。

農園での植木の購入方法は、実際に植えている木をみて、お気に入りに札を吊るしていきます。
そして後日、見積書が届くという形。
植木の相場観が全くない者としては、値札のないものを選んでいく怖さもありながらも、
直感的に素敵だなと思える1本を選ぶ楽しさもあり、新鮮でした。
お目当てのジューンベリーとアオダモを選び、ウメモドキという小さな花が可愛く、
樹形がきれいな木に巡り合い、お迎えすることにしました。
こうした偶然の出会いも実際に足を運ぶからこそ実現するのですね。

山採れの木の自然樹形を活かした雑木の庭がここ10年ほどの流行りだそうですが、
近年山採りものは掘り手の減少や作出量が減り、流通量は徐々に減少傾向にあるそうです。
山採りものの特徴として、他の雑木とともに競り合って伸びる環境から、下枝が少なく、
畑で育ったものよりもすらっとしなやかな樹形になります。
また斜面地などに自生しているものは枝ぶりも個性的でインパクトのある存在になります。

ある話によると、某住宅メーカーは山ごと買い取り自社の外構工事の庭木としているようです。
どこでも採れていた木々が世間の流行りや一部に独占されることで市場に出回らなくなるというのはエゴの極み、何だか悲しい結果です。

最近の分譲マンションのエントランス、竣工間際に山盛りの植樹をしている光景を目にしますが、
それにも少々違和感を覚えます。

街に緑が増えることはとても良い事ではありますが、竣工直後の見た目の豪華さや販売促進のみを追求してか、植物たちが窮屈そうでなりません。
木々が育つ数年後が完成形であり、それからメンテナンスや更新をしていくのが本来の姿ではないのか？

山からのお裾分けを頂き、緑あふれる住環境を地域で長く育む、
そんな心持ちで我が家に迎えた木々たちは大切にしていきたいと思います。