こんにちは、設計の古橋です。

現在、建て替えによるご家族3人の2世帯住宅（完全分離タイプ）を担当させて頂いています。
計画地は周辺建物が近接する近隣商業地域に指定され、東西に長い25坪弱の土地です。クリアすべき立地的な条件然り、施主様の個性やご要望から、ひとつとして同じ建物はない家づくりに今回もやり甲斐を感じていますが、
それに加えて、本物件からプランの表現方法あるいは現場への伝達手段である【図面】を描くツールに変革があり、非常に新鮮な気持ちも持って取り組んでいます。

【CAD】→ 【BIM（＝Building Information Modeling）】へ

これまでの図面製作はいわゆるCADと呼ばれる2次元のツールでしたが、
今期より用いているBIMは「3D空間を構築する」という概念の作図ツールです。
「Building Information Modeling」 ≒「建物を情報で形成する」の略称の通り、
3Dを構築するひとつひとつのパーツに寸法や外観情報のみならず、部材や仕上げの仕様といった属性情報を持たせることが可能です。

また製作した3Dモデルには2次元の情報も含まれているため、3Dを正確に構築しさえすれば、
平面図・立面図・展開図・断面図・建具表など、これまで個別で製作していた図面をこのモデルから書き出すことが可能で、
長らく2次元CADを使用してきた実施設計者からすると救世主とまで感じる程に優れたツールです。
（以前は図面製作とは別のソフトで3Dモデルも作っていました・・・）

2次元CADとは作図概念が根本から異なるため、学び、立ち止まりつつの初回物件の図面製作ですが、
例えば打合せで変更点が発生した場合など、どこかひとつの情報を修正すれば、すべての情報が連動して修正されるのは快感そのもの。
またその修正を施主様に3Dでご提示して、設計打合せの段階から具体的な空間をイメージしていただくことに役立てています。