こんにちは。

弊社ではおなじみの「キヌカ」について、その特性や自邸にて施工を行いましたので、DIYのコツなどをお伝えいたします。
「キヌカ」とは米ぬかを主原料としたオイルフィニッシュで無垢の床や家具等の仕上げおよびメンテナンスに使用する自然塗料です。
溶剤不使用の為、臭いもなく塗装中の換気も当然不要です。粘性が少ないサラリとした液状で一度に塗布できる面積が広く、ムラになりにくい為、誰でも気軽に施工できます。

弊社の施主様でもDIYでされる方も多いです。

主原料である米ぬかですが、様々な活用方法があります。

有名なところで言うと洗顔だったり、パックに利用するなど美容での活用はご存じの方も多いと思います。
あるいは健康食品として、料理に利用するのも体に良いみたいです。
そして、掃除にも利用出来る上に、市販の洗剤なんかよりもキレイに汚れを落としてくれるようです。
特に、フライパン等のしつこい油汚れのものには、とても有効で、強めにこすっても研磨成分が含まれていないので、傷も付きません。
そして天然素材なわけですから、手荒れの心配もありません。

掃き掃除にも有効で、ほうきで掃く前に、掃除したい場所にぬかを撒いて、それからほうきで掃きます。
すると埃が立たずにサッパリと掃き掃除が出来るそうです。
埃が苦手な人や、アレルギーを持ってる人は試してみてください。

と書いてみましたが、これ実践できる人ってかなり丁寧な暮らしが出来ている人だなぁ…
今の私にはそんな余裕はありませんが、せっかく無垢床の家に住み始めましたので、掃除機からほうきを使った掃除へ変えてみたいなと思案中であります。
前置きが長くなりましたが、自邸で行ったキヌカDIYのレポートを記したいと思います。

まずは準備物から

上から順に、ハンディー掃除機、塗装用のバケツ、マスキングテープ、キヌカ、電動サンダー、サンドペーパー、ウェス

はじめに掃除機でゴミやチリを取り除きます。
自邸では杉材をメインに使用していますが、一部に広葉樹系の集成材（ゴムの木）をデスクカウンターとして使用しています。
広葉樹系の材料は水拭きをすると乾燥の過程で表面のケバ立ちが起きやすくなるため、表面を平滑にすることでキヌカが良く伸びて塗りやすくなります。
工務店ですので、道具はそれなりに揃っています。電動サンダーで一気に仕上げていきます！壁際や狭いところはサンドペーパーも駆使します。

次にマスキング作業。
今回は私一人での作業で時間の制約がありましたので、必要最低限（主に床とカウンター天板）の施工にとどめました。
塗装を施す所とそうでない所をエリア分けしていきます。余計な箇所についてしまうと、施工範囲がどんどん増えてしまいます。
これが地味ですが、後々効いてきますので、丁寧に。

ようやくキヌカの塗装に入ります。
ウェスをキヌカに浸し固く絞り、床を磨いていきます。

非常に浸透性の高いものですが、あまりベタベタな状態で塗っていきますと、乾燥に時間が掛かりますので、薄っすら濡れ色になる程度で塗り進めます。
傍らにもう一つ手拭き用のウェスを持っていると無意識に余計なところを触らずに施工できます。
漆喰壁や紙クロス、モルタル床などに染みてしまうと、除去が難しいので注意してください。
絞る→手を拭く→塗るを繰り返します。汚れてきたら手拭き用を床塗り用に置き換えていきます。

濡れ色になっている箇所が施工済みの所です。しっかりと木目が際立っていますが、乾燥すると馴染んでいきます。

キヌカの施工中は履き古しの靴下とスリッパの着用をお勧めします。
施工直後は段ボールなどは直置きしないでください。キヌカを吸い上げてしまう場合があります。

約30坪の家で丸一日、なんとかやり切りました！余裕があれば建具もいけるかと考えていましたが、無理でした…(汗)
施工前はややザラつきのあった床がサラリと滑らかな触り心地になりました！
床に這いつくばっての作業はしんどさもありましたが、一枚一枚丁寧に磨き上げることで、より愛着がもてるようになったのではないかと思います。