柿渋塗装

2023年4月4日更新

こんにちは。
今回は古くから伝わる柿渋の塗装についてご紹介します。

まず柿渋とは、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧搾し、それを発酵・熟成させて得られる抽出液で、タンニンを多量に含む赤褐色の液体です。

紙や布を染める材料としても使われ、古くは平安時代の下級侍が着ていた「柿衣」がその始まりと言われているそうです。

(Wikipediaより抜粋)

防虫・防腐・防水の効果があり、弊社では無添加住宅の柿渋をホウ酸と混ぜて構造躯体の土台の4面に塗布しています。

発酵させているので、強烈な臭みが特徴ではあったのですが、数年前からは無臭の柿渋が登場し、現場での評判もまずまずです。
衣服に付くとなかなか洗い落とせないのが難点ではありますが…

建て方が終わり、内装工事が進んでいけば隠れて目にしなくなるのですが、
塗りたては淡いピンク色だったのが、空気に触れ酸化することにより濃い褐色に変化する様を見ていて、
仕上げの材料に塗装するといい味になりそうだなと現場を見る度に感じていました。

この度、自邸を建築するにあたり、ようやく柿渋を仕上げに使えるチャンスが巡ってきました!
どの材料でどこの仕上げに使うのが良いか、サンプルを作って密かに実証していました。
シナ合板、針葉樹合板、ラワン合板、杉材などなど…
経年変化するため、最終の色合いがどの段階で落ち着くのかが分からず、難しい判断でした。

シナ合板や杉材は赤身が強く残り、目立ちすぎる印象。
針葉樹合板は下地材で使う材料だけに、色むらと荒々しさが目立つ印象。

ラワン合板はオイル等で濡れ色になった素地の色味が褐色に近いという事もあり、良く馴染みましたので、
材料はラワン合板に決定、使用する場所は寝室の天井としました。

協力業者の材木屋さんの倉庫をお借りして、DIYで塗装してみました。

いつもの土台に塗布する要領でホウ酸は混ぜずにローラーで施工していきます。
1回塗りだと色むらが目立ちますね。2回塗りで乾燥させると…

綺麗な褐色に染まりました!仮並べをして割り付けをします。
寝室の天井で、よく目に留まる所ですので、何となく木目が通るよう意識しました。

実際の施工後はこんな感じ。

漆喰の白さとの対比や天井面に濃い色を持ってくることで、落ち着いた印象になったのかなと思います。

これからどのように色目が変化していくのか楽しみであります!
毎朝見るので変化に気づかない可能性が高い気もしていますが…(汗)

 


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