こんにちは。設計の田中です。

HEMS（ヘムズ）という言葉は耳にしたことがあるでしょうか。
HEMSとは、Home Energy Management System（ホーム エネルギー マネジメント システム）の略です。
「つまり家庭で使うエネルギーを管理する」システムの事で、住宅の設備の一つになります。

エネルギーに関する住宅設備は他にも「太陽光発電」や「蓄電池」などがありますが、それに比べると「HEMS」は一般的に知名度が少し劣るような気がします。
いまいち何ができるのかがわかりにくいのがその要因だと思いますので、少しその機能を説明させていただきます。

まず、HEMSにできることは大きく分けて2つあります。

①使用電力量の見える化
②機器の最適制御及びコントロール

①使用電力量の見える化
　従来、使用電力量というのは一月毎に電力会社から請求書が届き、そこに記載されている使用量を見て初めて分かるものでした。
　〇〇kWhというのが、使用量ですね。
　もしかしたら特に使用量を意識してない方も多いのでは無いでしょうか。

　HEMS機器を設置すると、その使用量が毎月ではなくリアルタイムで家庭で見えるようになります。
　また、どの機器がどれくらい使用しているのかも分かるようになります。
　※正確にはブレーカーごとに計測するので、ブレーカーの別れているエアコンや食洗機などは単体で測れますが、コンセントや照明などは複数まとめての計測になります。
　これにより、どのくらい使用量を抑えれば電気量を抑えられるのかが具体的にわかりやすくなり、家庭での節電の大きな助けになってくれます。

また、太陽光発電の発電量や蓄電池を設置した場合は蓄電池への充電具合もモニター管理できるようになります。

②機器の最適制御及びコントロール
　「IoT」という言葉もかなり浸透してきたかと思います。
「Internet of Things」つまり物をインターネットに繋いでネット経由で操作するということを指すのですが、HEMSはこれらの管理をしてくれます。

※Panasonicより

接続に対応しているかや接続してどのような事ができるかは機種にもよるのですが、例えば以下のような事ができます。

・HEMSのコントローラーから家中のエアコンを一括操作
・翌朝温度によってエアコンの動き方をパターン設定
・外部からの給湯,照明,空調等の操作
・エコキュートの生活スケジュールに合わせた効率的な沸き上げ
・スマホでも操作可能

金額的なメリットが提示しにくいのがHEMSの理解しにくい、また必要ないのではないかと思われるう要因かと思いますが、政府は2030年までに全世帯へHEMSを設置することを目標としています。
つまり、これからの住宅はHEMSがあって各家庭でエネルギーをマネジメントしていく家が一般的になっていくということです。

ちなみに、既存住宅でもHEMSの設置は可能です。
必要なのは電力量を計測する為の分電盤の取替と、AiSEG2という機械のみ。
現状の分電盤の回路数にもよりますが、製品代と施工費合わせて20万円くらいで可能です。

ネットでも詳しい説明はたくさんありますので、より気になる方は調べてみてもよいですね。