2019年のパリ協定から端を発した、我が国の2050年カーボンニュートラル宣言。
気候変動対策ルールとして、「平均気温の上昇を(産業革命前を基準に)2°Cより十分低く保ち、1.5°Cに抑える努力を追求する」という目標達成には、カーボンニュートラルが必須となります。
そして、中間地点である2030年46%削減の達成という目標にむけて動き出した訳ですが、では一体、家庭部門に関わる私たち生活者や工務店は何から着手したら良いのか!?
そんな状況の中、大阪大学の研究グループは詳細なボトムアップシミュレーションにより、2050年の日本の家庭部門エネルギー消費量と、各種削減対策の効果の予測を発表しました。
シミュレーションで予測した2013年、2030年、2050年の日本の家庭部門エネルギー消費および各種対策の効果予測と太陽光発電の発電量
これまで、家庭のエネルギー消費は世帯の特性(人数や所有機器、気象条件、住宅の仕様)により大きくばらつくため、これまで日本全体の家庭部門のエネルギー需要をモデル化したり、省エネルギー技術の導入効果についての正確な定量化は困難と考えられてきました。
しかし、このシミュレーションの実現により、主に以下のことが判明したそうです。
・その結果、2050年には既存の技術で日本の家庭部門のエネルギー消費量がほぼ半分にできること。
・その際、住宅の断熱と高効率給湯器の採用が大きな削減効果を及ぼすこと。
・このエネルギー消費は、全ての戸建て住宅の屋根に最大5kWの太陽光発電を設置することに相当する118GWの太陽光発電でほぼまかなうことができ、カーボンニュートラルの状況にできること。
お〜(驚)。
このシミレーション技術を用いれば、2030年46%削減、2050年のカーボンニュートラル(差し引きゼロ)の実現もあながち夢ではないのではないか!
そんな期待を抱かせる大阪初の明るいニュースだったのでした♪
※参考HP
ボトムアップシミュレーションにより2050年の日本の家庭部門温室効果ガス排出を予測
※ボトムアップシミュレーション
国や地域のエネルギー消費量を、その細分化された要素(人や家庭など)のエネルギー消費メカニズムをシミュレーションし、それを積み上げることで求めるシミュレーションの技法。