【vol.8】コラム「L型(変形)平面で問題が解決したプラン」

2014年5月15日更新

こんにちは設計チーフの千知岩です。
さて今回は、以前ご提案させて頂きました、YJ邸のプレゼンテーションにおいて、最適解を導くための手法についてご説明させて頂きます。

ガレージとして利用されていた土地にご家族4人でスタートされる2階建てのお住いです。

敷地は南側が6M道路、ほぼ整形の敷地で北側には4階建の共同住宅が建ち、西には3階建て住宅、東は田、北はガレージ、市街地では比較的周辺環境に恵まれた50坪の土地です。

コンセプトでもあるご要望は
・明るい家
・1階で水廻り動線を完結したい
・ソファは不要、タタミでくつろぎたい
・中庭式としたい

1階で家事動線を完結させながらどのお部屋も明るく一年中快適な『スタンダードパッシブハウス』として、計画をスタートさせました。


計画の課題として
 
1.家事動線完結の為の諸室レイアウトとLDKの配置をバランスよく整えたい。
 
2.南側に4階建て共同住宅がある状況で、南面から1階の日射取得(冬の太陽熱)と道路からのプライバシー確保は可能か。
 
3.明るく開放的なスペースの中にゆっくり落ち着ける居場所を確保したい。 


検討を重ね最適解に至った方法論ですが、
 
1.西側に3階建て住居があり、南東に玄関を張り出すことで囲まれ感が生まれ、東面・北面に家事動線のプライベート空間を配置させました。
北面・東面に家事動線をつくり回遊性をもたせることで、ダイニング・タタミリビングがより中庭感が増しました。
 
2.周辺建物を設定し、3Dソフトにて日照シュミレーションを行い、日射取得のための2階ボリュームを検討しました。一部吹抜を作ることで中
間期を含めより長時間日射取得が可能になり、暖房エネルギーの削減に貢献します。
また囲まれ感のあるダイニング・タタミリビングは、南面を木製スクリーンで閉じることで、デッキとの繋がりがより強調されるのと同時にプライバシーも確保出来ました。
 
3.家事動線の末端、タタミリビングの奥に1坪の天井高2M程のコーナーを作りました、掘り炬燵式になっており家族各々が居場所として、小さいながらにもさまざまな使い方が可能です。
 
YJ邸は、ご家族のライフサイクルに合わせて機能的であるがゆえに、スタンダードパッシブハウスとして、日毎に愛着の増す1邸になることを期待します。

 


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