私たちの家づくりには欠かせないアイテムである「床下冷暖房システム」。
2010年以来、CCF STYLE(三菱電機製)→パッシブ冷暖(ダイキン製)と進化させながら、床暖房と全館空調の特性を併せ持ったこのシステムの設計・施工・メンテナンスのノウハウを蓄積してきました。
そこで、改めてこの床下冷暖房システムについて、特徴をまとめてみました。
あくまでも、私の所見であることをご理解頂いた上でご参照下さい。
先ずは、空調としての快適性について。
・冬の快適性・・・申し分ありません。導入頂いたお客様には高い評価を頂いています。
・夏の快適性・・・当初試行錯誤はありましたが、夏用ファンの導入によって快適になりました。
次にコストについて。
・初期コスト・・・少々高めです。
・ランニングコスト・・・一般的なエアコンと変わりません。
・メンテナンスコスト・・・日々のフィルター洗浄を怠ると分解洗浄などのクリーニングが必要になります。
最後に、メリット&デメリットについて。
・メリット・・・1階全部を床暖房化できる快適性と、冬も夏も1台でまかなえること、です。
・デメリット・・・こまめなフィルター洗浄を要求されること、でしょうか。
以下は、それらを整理した他の冷暖房システムとの比較表です。
ご検討中の方はどうぞご参考になさって下さい。
■パッシブ冷暖と他の空調・床暖房設備との比較
パッシブ冷暖(床置エアコン) |
一般的なエアコン |
床暖房(ガス・電気) |
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初期コスト |
✕ | ◯ | △ |
市販のエアコンを用いるが、チャンバーボックスや夏期用中間ファンなどのオリジナル機器を併用し、且つ基礎コンクリート部の全面断熱の付加工事が発生するため。 |
空調システムでは最も普及している形式のため、市場の価格競争が働き選択肢が多い。 |
市販している設備とは異なり、建物の設備工事となるため価格競争が働き難い。 |
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ランニングコスト |
◯ | ◯ | ✕ |
ヒートポンプ方式のため光熱費を抑えることができる |
同左 |
ヒートポンプ方式は光熱費を抑えることができるが、ガス給湯方式や電熱パネル方式は熱変換効率が悪く光熱費が嵩む。 |
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メンテナンスコスト |
△ | △ | ◯ |
2年に1度のペースでエアコン分解洗浄をお勧めしている(税別:約5万円/台) |
使用頻度の高い部屋においては、2年に1度のペースでエアコン分解洗浄をお勧めしている(税別:約3万円/台) |
特にメンテナンスは必要なし |
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快適性(冬) |
◯ | ✕ | △ |
トイレや洗面脱衣室、廊下などの非冷暖房室の隅々まで快適。頭寒足暖の温熱環境が実現でき自然な心地よさを得られる。 |
室温は上昇するが、足元が肌寒く感じる。吹抜け空間は特に顕著に不快を感じる。 |
床暖房パネルの有無に影響されるため、快適・不快が局所的に生じる。 |
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快適性(夏) |
◯ | △ | ✕ |
トイレや洗面脱衣室など隅々まで快適。 |
エアコンが装着されていない部屋は不快。 |
冷房用に別途エコンが必要。 |
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メリット |
無垢フローリングを用いることができる。室外機を少なくできる。 |
冷房暖房の効果が短時間に得られる。 |
多種多様な商品が流通しており、多様なルートから広く購入できる。 |
デメリット |
広い空間を対象とするため、フィルター洗浄をこまめに行う必要がある。 |
エアコンの台数分の室外機を設置しなければならない。 |
無垢フローリングには適さない。 |
如何でしょうか?
2010年に採用して以来、全体の中における床下冷暖房システムの採用率は35%(累計37邸)ですが、その中には2階リビングや3階建の建物も含まれます。
但し、LDKが1階の場合(平屋も含む)の採用率は一気に60%になります。
これからも、当社のキーアイテムとして、様々なノウハウを蓄積していきたいと思っています。