– パッシブZEH- 山麓の家ー②

2019年1月19日更新

こんにちは。チーフプランナーの千知岩です。
 
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
 
 
さて今回はニュースレターでご紹介した、パッシブZEH-山麓の家の最適解を導くための方法論の後編についてご紹介したいと思います。
 
 
愛着のあるこの土地で、建替を機に新しい生活をスタートされるご家族4人、お客様との商談スペースも併設される2階建てのお住いです。
敷地は大阪府北摂地域の山裾に位置し、市街化調整区域に指定された農地は道路から1M程下がっており、一部を盛土して宅地へ変更する60坪の土地です。
 
 
ご要望は   
・庭と一体になるリビング・ダイニング・キッチン
・ミシンスペースがほしい
・庭と繋がる商談スペースがほしい
 
 
上記要望をキーワードに、
リビング・ダイニング・キッチン・商談スペースともに庭と一体感が生まれるように建物は南東に開くL型配置とし、南側中央には庭と繋がる吹抜けを設け、さらに吹抜けを取囲む南北方向に視線の抜けをもつ回廊のある家としてスタートさせました。
 
 
計画の課題及び提案
1.山の風景を取込み庭と一体感を作り出すためのゾーニング計画
2.夏の日射遮蔽と日射熱利用暖房の提案
 
 
.前回のゾーニング計画から建物形状がL型になることで、冬期午後からの日射熱取得が減少しますが吹抜等で補う方法にて解決しました。冬期と同じように夏期も日射熱は室内に進入してしまいます。その熱量は掃出し窓1箇所当たりに換算すると、1000Wの電気ストーブ約2台分の熱量となり、全ての窓を日射遮蔽する場合と比較して日射遮蔽しない場合は、室温が7〜8度も高くなりますので、完全に日射熱を遮蔽する必要があることはご理解頂けたかと思います。また冬期においては晴天の日射熱を利用して暖房費を削減する方法があり、パッシブデザイン5つの要素の一つである日射熱利用暖房を行うダイレクトゲインという設計手法です。年間光熱費では給湯・家電に次いで暖房費の割合が高いため、快適な室内環境でありつつ暖房費は削減したいところです。具体的には熱容量の大きな材料を使い日射熱を蓄え、ゆっくり時間をかけて放熱し、夜間になれば室内の熱を屋外へ逃さないようにハニカムサーモスクリーンで熱逃げを防ぎ、暖房エネルギーを使用せずとも快適性を維持します。冬期は晴天の日が月に20日間ぐらいはあるため、画像を見て頂ければわかるように自然エネルギーの恩恵で暖房エネルギーは45%削減が可能となります。
 
 
 
※ハニカムサーモスクリーン(断熱・省エネ効果が得られ、蜂の巣構造のスクリーンが熱の出入りを防ぎ、室内にありながら40%近い遮蔽効果があり、障子のような柔らかい明るさを確保できます)
 
◼スタイルブック(パッシブZEH-山麓の家)

 


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